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2021.12.20

お知らせ

GLOCOM六本木会議オンライン#32 収録動画を公開しました

 

2021年12月17日(金)に開催されました「デジタル社会におけるアルゴリズム/アーキテクチャと法」の収録動画を公開いたします。

イベント動画配信

※本セッションは、2021年12月17日(金)Zoomウェビナー形式で、事前参加登録をしたリモート参加者約60名にライブ配信されました。

 

登壇者

    • 成原慧(九州大学大学院法学研究院准教授)★講演者
    • 菊地映輝(国際大学GLOCOM研究員/講師)

     

    概要

    社会のデジタル化に伴いアルゴリズムやアーキテクチャが私たちの日常生活やビジネスに大きな影響を及ぼすようになっている。例えば、プライバシー・バイ・デザインやスマートコントラクトのように、アルゴリズムやアーキテクチャの設計により、自動的に個人の権利を保護したり取引を実行する手法が広がっていけば、法の役割は相対的に低下していくのかもしれない。他方で、アルゴリズムやアーキテクチャには、個人の自由を過度に抑制したり、人々の意思決定を不透明に操作したり、プライバシーを脅かすなど、さまざまな問題や限界も指摘されている。そこで、本講演では、デジタル社会におけるアルゴリズム/アーキテクチャと法の役割を探求するとともに、両者の関係について考えてみたい。

     

    講演者プロフィール

    成原慧(九州大学大学院法学研究院准教授)
    東京大学大学院学際情報学府博士課程単位修得退学後、東京大学大学院情報学環助教、総務省情報通信政策研究所主任研究官などを経て、2018年3月より九州大学大学院法学研究院准教授。専門は情報法。表現の自由、プライバシー・個人情報保護、AIに関する法的問題などについて研究している。単著に『表現の自由とアーキテクチャ』(勁草書房、2016年)。共著に、『アーキテクチャと法』(弘文堂、2017年)、『ナッジ!?』(勁草書房、2020年)などがある。

    アルゴリズム/アーキテクチャ論 シリーズ概要(企画:菊地映輝研究員)

    ウェブサービス、アプリ、IoTデバイス等で採用されるアルゴリズムないしはアーキテクチャ(以下A/Aと表現する)は、利用者のサービス利用を促すために、行動を制限し誘導することがある。通常、我々はA/Aの違いにより複数サービスから気に入ったものを選択するが、独占的なプラットフォームなどでは、人々はそのA/Aに従わざわるをえないといえる。その場合にはA/Aを実装する企業と、その商業的な目的を果たそうとするエンジニアたちが人々を操る力を持つことになる。しかし、ユーザー側からすればエンジニアの顔は見えず、彼らの設計思想を理解することも、彼らにユーザー側の意思をフィードバックすることも実際には行なわれていないだろう。エンジニア(を含むサービス提供企業)とユーザー(市民)のみならず行政、研究者もステークホルダーとしたときに、いかに社会全体でA/Aが改善されユーザーの意思が反映されるようにする社会的仕組みを開発できるかを検討する。

     

    GLOCOM六本木会議オンラインでは、今後も継続して、旬なテーマをピックアップし、セッションを開催してまいります。各回のセッションの収録動画は、Youtubeチャンネルにアップし、アーカイブ化することで、いつでもご覧いただけます。
    また、GLOCOM六本木会議ウェブサイト(https://roppongi-kaigi.org/)より、事前参加登録をされた皆さまには、Zoomウェビナーを介してライブでもご視聴いただけます。