2021.11.16
お知らせ
2021年10月29日(金)に開催されました「GLOCOM六本木会議オンライン #27アルゴリズムを批評するためにーアルゴリズム/アーキテクチャ論シリーズ第1回」の収録動画を公開いたします。
※本セッションは、2021年10月29日(金)Zoomウェビナー形式で、事前参加登録をしたリモート参加者70名程にライブ配信されました。
レコメンドなどの情報集約のアルゴリズムを「批評」的に取り扱うことの可能性を議論したい。アルゴリズムを批評的に取り扱うとは、プログラムのバグや、処理速度のみの話ではない。本発表で扱いたいのは、もっとメタ的な価値の選択を関わる論点である。
アルゴリズムやアーキテクチャが我々の日常生活に与える影響は日々大きくなっているが、これを専門家以外の人間が、日常的に議論するための方法を、我々はまだ十分に構築できていない。もちろん非専門家が、厳密な形での議論は難しい。だとしても、社会の中で、アルゴリズムのもたらす変容について議論するための仕組みを構築していくことは、AI倫理等が叫ばれる昨今の状況下において極めて重要な論点であると言える。
我々はアルゴリズムにどのような誤解や幻想を抱いているだろうか。そしてこの先、どのような種類の信頼を寄せればよいのだろうか。その価値のバリエーションを論じるための前提を考えたい。
アルゴリズム/アーキテクチャ論(企画:菊地映輝 研究員/講師)
ウェブサービス、アプリ、IoTデバイス等で採用されるアルゴリズムないしはアーキテクチャ(以下A/Aと表現する)は、利用者のサービス利用を促すために、行動を制限し誘導することがある。通常、我々はA/Aの違いにより複数サービスから気に入ったものを選択するが、独占的なプラットフォームなどでは、人々はそのA/Aに従わざわるをえないといえる。その場合にはA/Aを実装する企業と、その商業的な目的を果たそうとするエンジニアたちが人々を操る力を持つことになる。しかし、ユーザー側からすればエンジニアの顔は見えず、彼らの設計思想を理解することも、彼らにユーザー側の意思をフィードバックすることも実際には行なわれていないだろう。エンジニア(を含むサービス提供企業)とユーザー(市民)のみならず行政、研究者もステークホルダーとしたときに、いかに社会全体でA/Aが改善されユーザーの意思が反映されるようにする社会的仕組みを開発できるかを検討する。
GLOCOM六本木会議オンラインでは、今後も継続して、旬なテーマをピックアップし、セッションを開催してまいります。各回のセッションの収録動画は、Youtubeチャンネルにアップし、アーカイブ化することで、いつでもご覧いただけます。
また、GLOCOM六本木会議ウェブサイト(https://roppongi-kaigi.org/)より、事前参加登録をされた皆さまには、Zoomウェビナーを介してライブでもご視聴いただけます。