TOPICS トピックス

2019.05.10

【開催報告】GLOCOM六本木会議 年次総会2019

2019年4月17日、六本木の国際文化会館において、GLOCOM六本木会議 年次総会2019が開催されました。

GLOCOM六本木会議は、情報通信分野において、次々と登場する革新的な技術や概念に適切に対処し、日本がスピード感を失わずに新しい社会に移行していくための議論の場として、2017年9月に活動を開始しました。以降、分科会活動および年次総会など活動を推進しています。今回の年次総会は、2018年度の活動報告と2019年度の活動に向けた決起集会を趣意として企画されました。

年次総会の冒頭、GLOCOM六本木会議の発足趣意とこれまでの活動の振り返りについて、GLOCOM六本木会議 企画委員の前川徹より、皆様にご紹介をさせていただきました。

また、国際大学GLOCOMの名誉フェローでもある慶応義塾大学の村井純教授からのビデオメッセージも放映され、六本木会議に込める期待についてお話しくださいました。

基調講演では、情報通信の世界を巨視的な視座から俯瞰することを狙いに、「揺れ動く国際秩序 米国・中国・欧州・日本関係のダイナミズムを考える」と題して、慶應義塾大学総合政策学部の鶴岡路人准教授にご講演いただきました。戦後世界を支えてきた米主導の「リベラルな国際秩序」・「ルールに基づく国際秩序」の揺らぎは、米国自身の変調に加え、ロシアや中国といった権威主義国による国際社会への挑戦、欧州におけるテロやユーロ危機、Brexitなど様々な危機によって生じており、世界は新たな「大国間競争」の時代に突入しつつあると指摘されました。

また、米露・米中関係の悪化、欧州・中国関係の変容、欧州における米国に対する信頼の低下などの現象が地域を超えて日本を含めた他国・他地域に及ぼす影響を考えるべきだと述べられました。そして、日本は当面は日米機軸を続けていくべきだとしながらも、日本がどういう国になりたいのかを考え、そこから逆算して経済や安全保障についての「プランB」を検討していくことが重要であるとまとめました。また今回のご講演の中では、Brexitの議論がいつまでも収束しない事態の原因として、国家主権という象徴的な価値と経済的利害に関する議論とのすれ違いが指摘されました。これはグローバル化が進む中でさまざまな国で問われているものでもあります。

これらは、GLOCOM六本木会議にとって、多様な価値観を持つ者同士が集い合意形成していく場のあり方についての大変重要なご示唆となりました。GLOCOM六本木会議は、政治、経済、社会など、幅広い分野の専門家や実務家が集う場でもあり、一同に会して議論をすることに特色があるなかで、議論が並行してしまうことのなきよう、目的やビジョンをひとつにしておく重要性を認識することができました。 さらに、基調講演の後にはQ&Aディスカッションの時間も設けられ、参加者からは積極的な発言がなされました。

分科会活動は、「国土を守るように情報を守ることの重要性」を発信すべく発足した「サイバーセキュリティにおけるナショナルセキュリティの検討」の主査を務める内田勝也氏に、2018年度に検討を加えた項目も含めて報告を行っていただきました。

また「教育情報化のブレイクスルー」では、主査を務めるGLOCOMの豊福晋平 主幹研究員が報告を行い、2019年1月に行った提言やその後の動き、また次世代教育情報化について報告をしました。今年度は12月をめどに提言を取りまとめる他、分科会研究会を開催する予定です。

始動して間もない「データ社会における競争力研究会」では、主査を務めるGLOCOMの田中辰雄 主幹研究員が政策提言を行うために論点を整理し、リサーチアジェンダを決定する過程について報告を行いました。

(写真左から内田主査、豊福主査、田中主査)

年次総会後の懇親パーティでは、まず2019年4月にGLOCOM新所長に着任した松山良一所長より皆様にご挨拶をさせていただきました。

続いて、GLOCOM六本木会議の活動を個人として支援してくださっている和田成史氏にご挨拶をいただき、今後の活動に対する期待についてお話を頂戴しました。

そして、企画委員メンバーでもある、総務省 情報流通行政局局 情報通信政策課長の今川拓郎氏にご挨拶と乾杯の音頭をとっていただきました。

最後に、企画委員メンバーでもある、株式会社インテック常務執行役員・先端技術研究所長の荒野高志氏より、締めくくりのメッセージをいただき、閉会となりました。

(写真左から 松山所長、和田氏、今川氏、荒野氏)

ここに事務局一同、多くの皆様にご来場いだきましたことに改めて感謝を申し上げます。

2019年度のGLOCOM六本木会議にどうぞご期待ください。

(懇親パーティでの集合写真)