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2018.04.05

お知らせ

【開催報告】GLOCOM六本木会議 年次総会2018

キーノート

2018年3月26日、六本木の国際文化会館において、GLOCOM六本木会議 年次総会2018が開催されました。

前川 徹(GLOCOM六本木会議企画委員/国際大学GLOCOM所長)
GLOCOM六本木会議は、情報通信分野において、次々と登場する革新的な技術や概念に適切に対処し、日本がスピード感を失わずに新しい社会に移行していくための議論の場として、2017年9月に活動を開始しました。以降、およそ半年間に、有識者を講師に迎えた定例会と、2つの分科会活動を展開してきました。今回の年次総会は、分科会の中間報告と、2018年度の活動に向けた新たなテーマの検討と活動方針をすり合わせることを目的に企画されました。

年次総会の冒頭、GLOCOM六本木会議の発足趣意と活動体制について、国際大学GLOCOM前川徹所長より、皆様にご挨拶をさせていただきました。

基調講演では、「量子コンピューターの展望2018」と題して、東北大学大学院の大関真之准教授に講演いただきました。
大関先生ご自身が大学の学部生であった時代に、「実現するのは100年先」と言われていた量子コンピューターが、2017年にはIBMやIntel、Googleをはじめ、各社がこぞって開発に成功し、またスケールアップの競争状態にあることが紹介されました。また、既存のスーパーコンピューターとの違いとして、「計算速度」そのものが早いわけではなく「賢い解き方」ができ、かつ「省電力」であること、特に量子アニーリング方式のコンピューターが得意とする「最適化問題」が産業界に数多く存在しているという指摘がありました。さらに、今後は人工知能やブロックチェーンといった技術との融合へのリソース投資に期待したいと述べられるとともに、GLOCOM六本木会議のように、産官学民が集い、議論し共に活動する場の重要性についても期待値を寄せていることをお話くださいました。


分科会活動は、「国土を守るように情報を守ることの重要性」を発信すべく発足した「サイバーセキュリティにおけるナショナルセキュリティの検討」の中間まとめとして、主査を務める内田勝也氏に報告を行っていただきました。
また「教育情報化のブレイクスルー」では、GLOCOMの豊福晋平 主幹研究員が報告を行い、社会と学校とのデジタルデバイドを指摘しつつ、教育におけるデジタルトランスフォーメーションを目指すために必要となる、学びの要件と学習構造の変化について報告をしました。いずれの分科会も、継続して活動を行い、2018年上期中に最終報告を行う予定です。

年次総会後の懇親パーティでは、GLOCOM六本木会議の活動を個人的に支援してくださっている和田成史氏にご挨拶をいただき、今後の活動に対する期待についてお話を頂戴しました。

続いて、総務省政策統括官 情報セキュリティ担当でおられる谷脇氏にご挨拶と乾杯の音頭をとっていただきました。

国際大学GLOCOMの名誉フェローでもある慶応義塾大学の村井純教授からのお祝いメッセージも会場にて読み上げられました。このほか、参加者メンバーから今後のGLOCOM六本木会議に対するご期待やご意見の声を多くいただきました。



最後に、企画委員メンバーでもある、総務省 情報通信国際戦略局 情報通信政策課長の今川氏より、2018年はさらに活動領域を広げ、情報発信を積極的に行っていきたいという締めくくりのメッセージをいただき、閉会となりました。

ここに事務局一同、多くの皆様にご来場いだきましたことに改めて感謝を申し上げます。
2018年度のGLOCOM六本木会議にどうぞご期待ください。

懇親パーティでの記念集合写真懇親パーティでの記念集合写真