PROJECTS 分科会

教育情報化のブレイクスルー

テーマ選定の背景

世界的に教育領域における情報化(教育情報化)は、将来の職能のありかたや学習に大きな影響をあたえるものと認識されており、1990年代後半からは次世代教育モデルとしての、21世紀型スキルやキーコンピテンシーにおいても重要な位置付けにある。
我が国の教育情報化は1985年臨時教育審議会第一次答申に情報化への対応が盛り込まれて以来、文部科学省・総務省・経済産業省が関わって30年以上展開されてきたが、機器整備や活用は国際的にみても大きく遅滞しており、PISA2015のICT活用調査結果では、途上国を含めてもほぼ最下位の位置にある。

本活動の達成目標と検討事項し

本分科会の達成目標は、遅滞する我が国の教育情報化に突破口(ブレイクスルー)を見出すことにある。技術的な新奇性のみでなく、社会変化の展望に見合った教育の位置付けを問うものとしたい。具体的には次の点を検討する。

情報社会の新しい学び

 日常生活にICTが浸透したことで、生活のなかの遊びや学びのシーンにもこれらが大きな位置を占めるに至ったが、我が国の学校教育でのICTは、従前から教育目標を達成するための補助的手段として限定的に扱われ続けたために、日常生活と学校生活との格差は著しいものとなっている。
 学校教育の現行カリキュラムにとらわれず、ICTを活用しつつ、新しい枠組みを模索する先進的な事例をピックアップし、その持続可能性と普及について議論する。

新しい学びへの課題解決

学校教育情報化の長年の膠着は複雑な要因が絡み合っているため、1ショットアイデアでは問題解決が難しい。打開のためには、事業スキームに関わるステークホルダのうち、ニーズや意見が十分反映されない関係者、あるいは、障壁が生じている相互関係性に着目するとともに、産官学民のマルチ・ステークホルダを前提とした議論によって、俯瞰的な視野からの再構築を必要としている。本分科会では、より構造的に課題を把握し、多様な論者を議論に招くことで新たな切り口と解決策を見出したい。

これまでの活動成果

2019.1.23
【手交】教育情報化 分科会報告書を柴山昌彦 文部科学大臣に手交しました

2018.7.25
【公表】「教育情報化のブレイクスルー 2018提言書」を公表しました